城南動物病院スタッフブログ

迷子とマイクロチップ

// 2011年09月29日

昨日、診療時間終了間際にドアを開けて帰っていく患者さんの横をすり抜けて入ってきたウェルシュコーギー、ずいぶん病院に慣れています。すぐに飼い主が入ってくるかと待っていても誰も入って来ません。おかしいな、と外に出ても、飼い主らしき人影は見当たりません・・・・・・・迷子?

尻尾を振って待合室にちょこんと座って愛嬌を振りまいてスタッフを見つめています。もう外は暗いし、迷子のようです。それにしても動物病院へ助けを求めて入ってくるとは、なかなか犬ができています。赤い首輪を調べてみましたが、電話番号や鑑札はついていません。マイクロチップが入っているかもしれませんので、マイクロチップリーダーで首のあたりを探してみます・・・マイクロチップも入っていませんでした。去勢していないオスです。体重は13キロ、ちょっと大きめです。年齢は3歳から6歳ほどでしょうか。

早速電子カルテから該当しそうなコーギーを探してみます。20頭ほど該当しましたので片っ端から電話してみます。・・・。中には知り合いのコーギー飼いにも連絡してみますねという方もいらっしゃいましたが、該当者はありません。警察にも連絡してみます。まだ届出はないそうです。動物管理センターはもう終わっていますので、明日一番にでも連絡しましょう。もう遅いし、今日はうちにお泊りですね。ご飯も食べて、なんだかなついています。夜もぐっすり眠れました(お疲れですかね)。

次の日の診療時間前に飼い主がいらっしゃいました。警察に連絡したらうちの病院に保護してあると教えて頂いたそうです。やはり飼い主のもとが一番ですね。最後にご住所をお聞きしたら・・・「別府」・・・ここから4キロは離れています。昨日の夕方の散歩中にリードをつけたままいなくなったそうです。病院で保護されたときはリードはありませんでしたから、どのような冒険をしてきたのやら、とにかく無事に帰れてめでたしめでたしでした。

先日アメリカ中部で三毛猫が行方不明になり、数年後になんと2000キロ以上離れた場所で見つかり、保護していた動物愛護団体から無事に飼い主のもとへ帰ることができたというニュースがありました。迷子の猫にマイクロチップが埋め込まれていたため飼い主がわかったそうですが、もしチップがなかったらまずはどこの誰だかわからなかったことでしょう。飼い主はピューマに襲われたと思って諦めていたそうです。

迷子の動物にとって飼い主のもとへ帰るためにもっとも効果があるのはマイクロチップです。埋め込み登録には5000円程度かかりますがマイクロチップは一度埋め込むと一生涯役に立ちます。鑑札や首輪のように外れてなくなることありません。自分の子は外で放したりしないから大丈夫と思っていても、地震や火事など、自分の力ではどうしようもない予期しない出来事が起こるやもしれません。

今回のコーギーは運良く次の日に警察署などの力で飼い主のもとへ帰ることが出来ましたが、実際は身元不明なまま帰れない動物も多いのです。ぜひマイクロチップの埋め込みは考えてください、なんといっても動物は迷子になっても自分の住所や名前を話せないのですから。

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